劇場版Zガンダム三部作の最終章、星の鼓動は愛。
TV版とラストシーンで迎える主人公の顛末が変わっていることで話題があった。
これについて、どういう話があるのか、富野監督がどういっているかは知らないし、この際、考慮に入れない。
ただ、良い作品であった。力が体の中から溢れ出てくるような感覚を、感じさせてくれた。
この頃の富野作品は、以前の殺しのような断ち切るという要素よりも、愛のような繋がるイメージのものに変わってきているように思える。
劇場版ZもTVとはラストシーン以外はほとんど展開は変わらず、死んでいったものたちは死に、生き残ったものたちはそのまま生き残った。変わったのは結末だけである。
それを変えたのは、意識ではないか。監督の意識、主人公カミーユの意識、死んでいった者たちの次に手渡す意識の違いが展開が変わらない作品の結末を変えた。
それをもう少し具体的にいうなら、鼓動を感じられるたかどうか。感じられた者たちが、意識を変えていく。
命の鼓動。星の鼓動。心臓を脈打つ音。心のリズム。
それを肌で、すぐ傍でリアルに感じられることが大切なことだったのではないだろうか。
Zガンダムは本来交わることのないような、ねっとりとした情念が渦巻く物語だ。登場人物たちは理性で動くというより心を捉えて離さない、こびり付いた粘着質の情念で動く。
そこに妥協点なんかは存在しない。まるで解り合うことができないように、遠く感じる。でもそんな果てしない距離も、体が近づくことによって、距離を溶かしていくことができる。
脈打つ鼓動が、ありのままの相手を近く感じさせてくれる。
(あくまで三部作三作目のみを対象としています。)
(文・辻智之)
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