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2007/12/23 (Sun) 22:12
Finally We Are No One

Finally We Are No OneFinally We Are No One
(2002/05/28)
Mum

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Green Grass Of Tunnel

ずいぶん前の話。僕がテクノを聴き始めていた頃、音楽の話が合う友人から1枚のCDを渡された。CDを渡されたとき、それまで触ったことのなかった質感のジャケットにアーティストの楽曲志向の好奇心よりもなによりも少し懐かしい感じがした。ジャケットのタイトルはこれまた素朴な字でMumと書かれていて、それまで僕はMumのことを他の同時期に頻出していた実験的なアーティストと同じように先鋭的なアーティストと思っていたので、その先入観から友人に手渡されたCDの素朴な雰囲気に思わず「これほんまにテクノなん?」と尋ねてしまった。
友人はにっこりと「そうだよ、でも少し違うかな。君が今まで聴いてきた硬い音ではないね。優しい音楽だよ」と笑いながら答えた。友人の返答に僕は内心では少しむっとしていたが、早く家に帰ってオンボロCDプレイヤーで渡されたCDを聴きたい衝動に駆られてしまった。結局その日残っていた授業をサボり、僕は友人の笑顔と好奇心に背中を押されながらオンボロプレイヤーのスイッチを押した。

あの時からもう4年の歳月が過ぎた。今改めてMumのアルバムを聴いてみると、成るほど今の自分の音楽観は全てこの1枚から始まっているんだなと思わされてしまう。あの時オンボロプレイヤーのスピーカーで繰り広げられていた聴いたこともない優しい自由なMumの世界に惹きこまれた自分が、4年の歳月を過ぎてもなお魅了され続けている。あの時感じた音に憧れ少しでも近づこうとした今までも、あの音像を追体験したかったからだったのだろう。僕にとって、MumのアルバムFinally We Are No Oneは大きな道しるべだ。


Mumのアルバム、特にこのFinally We Are No Oneは聴いていると子供の頃の懐かしい体験や感動を思い出し、その時の匂いや感触がおぼろげながら蘇ってくるような、懐かしい雰囲気がある。夢を見ているような心地よさ、時間の概念などがおよそ無関係な世界観を創り出しているMum、いつまでも聴いていたい素朴な電子音。

アイスランドより、妖精が奏でる音楽を。

(文・テクノ遊牧民)

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