Walk into the Memory
野崎良太のソロプロジェクト「Jazztronik(ジャズトロニック)」は日本のクラブジャズシーン/クロスオーバーシーンで名の上がるアーティストで、不定形プロジェクトらしく作品毎に参加アーティストの顔も変わるらしい。プロジェクトのデビューアルバム「Horizon」の「アオイアサガオ」のヒットで、その名を一気に広めることになり僕も「アオイアサガオ」だけは聴いたことがある。ブラジル音楽のテイストと女性ボーカルの声が絡むこれまた良い雰囲気のトラックだ。
でもそれ以来、以前から気にはなっていたがなかなか彼の作品を聴く機会はなかった。もともとクラブジャズに馴染みがなく、かといって触手を伸ばしたくないわけでもなく、単に最初に聴くべきアーティストは何かでまごついていた僕に友人がこのアルバムを薦めてくれた。
侍。このトラックのかっこよさに脱帽する。緊張感と開放感の繰り返し、縦横無尽に響くピアノの音色、上乗せされたシンセ音。どれをとっても素晴らしいの一言に尽きる。ここまでかっこいいトラックを聴いたのは久しぶりだ、聴いてると頭がくらくらする。
もちろん侍以外のトラックも十分すぎるほどにかっこよく完成されたトラックばかりなのだけれど、アルバムを一通り聴いてみた中でファーストインプレッションが一番強かったのは侍だ。
8分35秒という世界の中で音がところ狭しと跳ね回り爆発している。骨のあるリズムの前では自然と体が動いてしまう。長い時間の中で徐々にテンションが上がるこのトラックのかっこよさ!。
しかしほんとにかっこいいアルバムだ。ボサノヴァ、ジャズ、ハウス、色々なジャンルに色々な参加アーティスト。一つのアルバムでこれほど色々な音楽のテイストを組み合わせ、かつ一曲一曲が完成されアルバムの雰囲気を壊さないでいる。何かに偏ることなく勢いで攻めるのでもなく、バランス良く一曲一曲を聴いて楽しむことが出来る。値段がリーズナブルなのもいい。クラブジャズに馴染みのない僕でも自然とJazztronikの世界に浸ることが出来たのは、作曲力のあるアーティストが引き出したトラックの良さなのだろう。
部屋や車でのドライブBGMとしても最適。かっこいい雰囲気に浸れる、本当にお洒落な一枚。ぜひその耳で侍の手によるクラブジャズを体感してほしい。
文章・川端星仕
(関連リンク・Myspace内のJazztronikのページです。Jazztronikの楽曲が視聴できます。)
http://jp.myspace.com/jazztronik
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